オオカミ再導入についての議論、『どうしてヒトじゃ駄目なの?』って考えてたら、むしろ狩猟ビジネスで大儲けできそうな予感がしてきた


こんな記事を読んだ。

togetter:オオカミ再導入についての議論、『どうしてイヌじゃ駄目なの?』

まとめの趣旨はエゾシカの獣害対策にはオオカミ以外の手段があり、オオカミ再導入論者は獣害対策ではなくオオカミの再導入そのものが目的なのでは、と批判するもの。

私自身は「オオカミの再導入(Wikipedia)」なんて主張があること自体を知らなかったので、面白い意見があるものだと感じた次第。

それで↓のツイートをしました。

togetterに経済・産業的な視点からのコメントがなかったのでさらに↓をツイート。

自然保護の観点と獣害対策という観点が混ざっちゃってるから議論が混乱するように思います。

自然保護という観点なら、ニホンオオカミはすでに滅びたのだから、代替となる種を連れてきたって仕方がないでしょう。

それは、もし秋田犬が滅びたら代わりにセントバーナードを輸入しよう、みたいな話なわけです。

ニホンオオカミに関していえば、重要だったのは固有種の保護であり、絶滅してしまった今ではもはや意味のない議論です。

「生態系の頂点」という役割が必須だというなら、わざわざ他所からオオカミを連れてくる必然性はなく、ヒトがそれを行えばいいのです。

オオカミの再導入のリスクは以下の2点でしょうか?

・外来種の導入による生態系の破壊
・オオカミが人間に危害を加える危険(狼害)

オオカミの再導入を唱える人たちは、これらの危険はないと主張しているようですが、そんなものやってみなくちゃわかりません。

リスクというのは可能性の大きさで語るものなので、これらの可能性がある以上、安易に選択すべきではありません。

リスクヘッジのために、全頭去勢した上でリモート爆弾つきの首輪をつけて放つのなら実験としてあり得るかもしれませんが、いくら銭ゲバの私でもそんな残酷な方法は認めたくないですね。

だいたいそんなコストをかける余裕があるのなら、他の選択肢を選ぶこともできるはずです。

というわけで、生態系の輝けるNo.1であるヒトの出番です。

エゾシカに限らず、各地で獣害対策が進まない理由は担い手がいないためです。

人間に危害を加えるクマやイノシシが出た場合には、地元の猟友会が動員されるわけですが、その報酬は微々たる額のようです。(Google先生に尋ねてみましたが、確たるソースは見つけられず)

担い手がいない原因は、金銭的見返りの少なさが原因だといってよいと思います。

十分に儲かるのであれば、担い手はいくらでも現れるでしょう。

一方で全国の鳥獣害の被害額がどれくらいなのかと調べてみると、約200億円に上る模様。

参考:(2)農業集落の動向 イ 鳥獣被害の状況(農林水産省)

対策費の方は、同じく農林水産省から「平成24年度鳥獣被害防止総合対策交付金配分額(PDF)」によると約84億円のようです。

これは中央から配布される金額だけなので、各地方自治体からの支出もあるだろうことを考えると、もっと多額な経費がかかっていそうです。

これだけの支出をしての被害額200億円なので、放置していたらもっと被害額が大きくなると思われますが、その算出は難しそうなので放棄。

ともあれ、例えばこの被害をさらに半分に抑えられるのなら追加で100億円コストをかけてもトントンです。

仮に100億円の予算を組んで、害獣駆除専門のマタギチームを編成したらどうなるでしょう。

危険も考えてかなりの高給を想定し、給与と必要経費をひっくるめて1人当たり2,000万円の維持費がかかるとして、500人の雇用が可能です。

この500人が全国を飛び回り、害獣を適正な量に間引く活動をするわけです。

勤務日数を240日とすると、12万人日の狩猟活動が可能です。

プロのマタギが1日でどれだけの狩猟ができるか不明ですが、1年間専従すれば北海道のエゾシカくらいなら絶滅寸前まで狩り尽くせる気がします。いや、絶滅させちゃいかんけど。

とはいえ、鳥獣対策に突然100億もの予算をつけるのは難しいと思われるので、狩猟した獲物は加工・販売して収入の足しにします。

北海道でのエゾシカの年間削減目標数は15万頭、小売価格は1頭30,000円らしいので、半額にして15,000円。北海道のエゾシカだけでも22.5億円の売上げが見込めます。

参考:シカ削減目標 捕獲のプロが必要では

参考:岩松ファーム エゾシカ食肉販売

クマははるかに高額で販売できるようですが1頭買いの値段がよくわかりません。また、捕獲頭数も振れ幅が大きい。とりあえず控えめに20万円×2,000頭とし、4億円。

イノシシもよくわからないんですが、1頭5万円とし、30万頭を狩るとして150億円。

…あれれ、黒字になったぞ?

参考:捕獲数及び被害等の状況等(環境省)

参考:イノシシ肉ショップ【タケダ猪精肉店】

参考:熊肉販売のクマ肉屋

ええと、調べながら書いていたのでこんな事態は想定していませんでした(汗

「マタギを産業として再び成立させればオオカミなんて再導入しなくても大丈夫。どうしたらマタギを再び職業として復活できるのでしょうか?」みたいな運びにしたかったのですが、どうも現状のままでも上手くやればマタギを産業ベースに乗せることは可能な気がします。

むしろ、ジビエ(野生肉)専門のレストランとかも開業して、垂直統合的なサプライチェーンを一手に構築すれば、売上高数百億円の「マタギホールディングス(東証1部:xxxxx)」みたいな大企業さえ作れる気配がします。

うん、まあ、想定していたオチが使えず混乱しているわけですが、とりあえずこの記事を読んだ大金持ちの人は私に出資してマタギベンチャーを一緒に作りませんか?


2012/11/6追記
togetterでよい指摘をいただいたのでこちらにも載せておきます。

猟期も旬の件も完全に考慮の外でした。

ほぼ一日中、屋内でPCに向かっているような生活だと、自然を相手にする仕事への想像力が欠如しますね。。。

思考の範囲が狭かったと反省。

マタギ復活問題に関しては、単価ダウンと稼動可能期間の短さが問題だとわかったので、それを解決するうまい手段を考えてみたい。(思いつかないかもだけど)

半歩戻って本来の獣害対策って視点に返ると、公金に頼らず行うためには、農家の集約・大規模化によって自腹で対策できるようしなくちゃいかんのかなあ。

うーむ、平凡すぎてつまらん結論だ。

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