CA藤田晋氏が退職希望者に「激怒」した真意を勝手に考えた

nikkei

横浜の夜はすっかり涼しくなりまして、さすがに10月であるなあ、もう秋であるのだなあとしんみりしておりましたら、自室に大きな蚊が飛んでいるのを見つけ、青筋を立てて追いかけ回しておりました。仕留めた。

こんな記事が話題になっていました。

私が退職希望者に「激怒」した理由(藤田晋氏の経営者ブログ) :日本経済新聞
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キラキラ女子社員で有名なサイバーエージェント社長の藤田晋さんの記事です。ざっくり要約しますと、手厚く育てていたつもりの社員が競合他社からの引き抜きにあったので怒った。激おこぷんぷん丸して社内を引き締めた、というものです。

人に対して怒りを表すというのは特殊な性格の方でなければ結構ストレスなことだと思うのですが、案の定『辞めた社員のことを憎く思って激怒したわけではありません。正直に言えば「かわいそうなことをした」と思っています』と書かれています。憎まれ役になるのはしんどいよね。記事タイトルの「激怒」が括弧付きなのはそういう意味を含ませたかったのでしょう。

この記事が消化不良なところは、『私が激怒したという噂は社内を駆け巡り、その効果は絶大なものがありました』と書いているにもかかわらず、『その効果』の具体的な点がまったく書かれていないところでしょうか。競合他社のスカウトに応じるものが減ったのか、競合他社からのスカウトそのものが減ったのかわかりませんが、なんとなく後者のような気がします。

CAさんはいっぱいお金を使う会社ですので、たとえ競合であっても何らかの取引関係はありそうですから、CAさんとの関係を悪くしてまで引き抜きたいというケースは少なそうな気がします。社内の綱紀粛正のために一罰百戒をしたわけではなく、優秀な人材を横から攫おうとする競合他社をけん制するのが主眼だったのではないかなと。こんな炎上必至の記事をわざわざ日経に載せたのは、最近また引き抜きが増えてきたとかそういう事情があるんじゃないかと邪推してしまいます。

ともあれ、もしそうであるなら、『私が激怒したという噂は社内を駆け巡り』ではなく、「私が激怒したという噂は”業界”を駆け巡り」とした方がよかったと思うのですが。いやまあ、私が勝手に「真意」案件にしようとしているだけかもしれんのですが。

こんなことを書いていたら思い出したのがGoogle、Apple、Adobe、Intel、ピクサーといった米IT企業連が取り交わしていたという「引き抜き禁止」の紳士協定のニュース。

Apple・Googleらの結んでいた秘密協定はさらに大規模であると暴露される – GIGAZINE

職業選択の自由を侵害するものだとして非難をされておったのですが、CA藤田社長のようなケースは牽制であってカルテルではありません。こういう場合でも職業選択の自由を侵害していると考えられるのかどうかはちょっと興味がわくところ。労働者心理としては転職を妨害するあらゆる行為は一律に不当であって欲しいんでしょうけれど、手塩にかけて育てた(つもりの)社員の退職はなんとしてでも防ぎたいという経営者の気持ちもわからんではないところなわけで。

話は変わるんですが、辞めるときに「この業界にいられないようにしてやる!」って恫喝する経営者さんって本当にいるらしいですね。転職時にそういう恫喝を受けたという話を何人かの知人から耳にしたことがあるのですが、相変わらず同じ業界で食っております。業界内でよほど絶対的な地位にいる会社のトップでもなければ、言うほどの影響力なんてないんだなあ……なんてことをふと思いましたです。

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