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WEBコンサルタント『サーチサポーター』の代表、敷田憲司です。
私は前職、前々職では、Webマーケティングの担当者としてアフィリエイトを含む広告出稿も担当していました。
とあるECサイトの電化製品や、とある保険サービスへの申し込みの成約に繋げるべく、コンテンツの提案だけでなく広告出稿も並行して行うことで集客に繋げていました。
今回はその頃の経験を元に、サイト運営のマネタイズ方法として一番実施されているアフィリエイトについて、出稿側からの視点でお話しをしたいと思います。
個人、法人に関わらずサイト運営にて広告を掲載して収入を得ている、いわゆるアフィリエイトを行っている方は結構いるのではないでしょうか。
アフィリエイトを始めるには、先ずはASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)に広告掲載を申請するところから始まります。
晴れて申請が受理されることで、広告を掲載する(一番スタンダードな方法は、バナーやリンクを貼る)のですが、ただ広告を掲載さえすればよいわけではありません。
また、アフィリエイトには特別単価というものが存在します。
これはルールが各ASPや出稿側によって決まっているものであり、出稿側とアフィリエイターが交渉した上で契約が交わされるものなので一概にこうだと断定は出来ませんが、出稿側であった私の経験に基づいたをお話ししたいと思います。
申請が受理されやすいサイトとは
前述のようにアフィリエイトを始めるには、先ずはASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)に広告掲載を申請するところから始まります。
現在、ASPはとても沢山あり(大手ならA8ネット、バリューコマース、楽天リンクシェアなど)、媒体によって登録プログラムや、得意分野も違ってきますので、自分のサイトにあったASPを選ぶとよいでしょう。
申請さえすれば特に審査されることもなく承認されるアフィリエイトプログラムもありますが、ほとんどのプログラムはそうではなく、出稿側がサイトの審査を行うことで晴れて承認がなされます。
もちろん出稿側が「このサイトにはそぐわない」と判断すれば、否認されることもあります。
審査内容、承認の基準はASPと出稿側によって違ってきますが、私が経験した審査内容、承認の基準と大幅に違うこともないでしょうから、具体的にどういうことをやっていたか、何を基準にしていたかをお話しします。
1.サイトのメインテーマや記事が共通、もしくは似通っているか
先ずはサイトのメインテーマ、記事が紹介して欲しいサービスや商品と共通であるか、もしくは似通っているものなのかを審査します。
例えば、自社の電化製品を紹介するアフィリエイトプログラムなのに、全く関係のないスポーツがテーマのサイトであったり、記事(コンテンツ)も全く共通するものがないサイトは、承認を行わないことがあります。
理由は仮に承認してバナーやリンクが貼られたとしても、そこからの成約は全く想像できないからです。
ただし、メインテーマが違っていても、紹介してほしいサービスや商品について詳しく書かれている記事があるものについては、今後の期待を込めて承認することはあります。
また、メインテーマが違っていても、真摯で誠実なサイトの場合、ブランディングの一環として承認することもあります。
(これについては後ほど詳しく説明します。)
申請されたサイトを実際に目で見て判断しているので、アフィリエイトの内容と余程違っていない限りはとりあえず審査に出してみるのもよいでしょう。
2.パクリや真偽不明などの低品質なコンテンツはNG
ここでいうコンテンツの質とは、公序良俗に反するもの、他媒体から過度に転載したもの、真偽の疑わしいゴシップ情報などを載せている質の低いサイトについてです。
もちろん、こういったサイトは承認しません。
紹介するサービスや商品によって違うとは思いますが、私はテーマ、記事が一致していたとしても、まとめサイトやコピーサイト(他の記事を引用しただけのサイト)は承認していませんでした。
それはサービスや商品のイメージダウンを防ぐためです。
そういったサイトに広告を出しているということは、質の低いサイトの行いを了承していると取られることにもなるからです。
承認をしたときは立派なオリジナルコンテンツを抱えたサイトだったのに、暫くしてチェックしてみると、2ちゃんまとめサイトに様変わりしていた・・・なんてこともよくある話でした。
(もちろん発見次第、承認解消でした。)
3.ユーザーを騙すようなことをしていないか
上記2とほぼ同じ問題ですが、貼られている他のアフィリエイトのバナーやリンクの設置状況を見て判断することもあります。
そこではユーザーを騙して誘導するような手法、素振りがあるかどうかを判断しています。
明らかにバナーの誤クリックを狙った配置にしていたり、紹介するサービス、商品の説明が読者の誤解を生むような文章、表現をしているようなサイトは承認しません。
仮に承認してバナーやリンクが貼られたとしても、モチベーションがないユーザー(悪い言い方をすれば騙されて連れてこられたユーザー)をいくら集客しても、そこから成約することはほぼ見込めないからです。
これもサービスや商品のイメージダウンを防ぐためです。
以上が承認の条件として設定されていました。
アフィリエイトにあったテーマ、記事があり、奇を衒うようなことさえしていなければ意外と審査は通るものです。
審査、通りました!!!
特別単価を出す場合
アフィリエイトには特別単価というものが存在します。
特別単価とは、あるアフィリエイトサイトに限り、成約の単価を上げる契約を結ぶことです。
例えば、通常の成約時の単価が100円であるところを、そのアフィリエイトサイトに限っては倍の200円に設定するなど、サイトによって優遇する措置を取ることです。
特に明確なルールが決まっておらず、基準はASPと出稿側によって違ってきます。
アフィリエイター視点で、特別単価の契約を結ぶには「成約数、売上額が多ければ多いほどよい」と言われています。
確かに出稿側から見ても、沢山の成約、売上を上げてくれるアフィリエイトサイトは有り難いですし、更に成約数、売上額を上げてもらうために優遇することはあります。
では、どういったときにこの特別単価という優遇措置を取るか。
出稿側からは以下のように判断しています。
1.門前払いの「足切りライン」・「直接契約の交渉はNG」
「自分のサイトの成果報酬を倍にして欲しい」
ASPを通して、特に沢山の成約、売上を上げてくれるアフィリエイターさんから提案をされることがあります。
これは承認しているアフィリエイターさん全てが行えるわけではありません。
全ての提案を通すと対応する時間も取られるため、ASPである程度の「足切りライン」を設定していたりします。
(設定は特になく、全ての問い合わせが出稿側に飛んでくるASPもありますが・・・)
ごくたまにASPを通さずに直接やりとりを行おうとするアフィリエイターさんがいますが、いくら双方にとっておいしい話であっても、ASPに対して失礼、契約違反であり、出稿側が信用をなくすことにも成りかねないのでお断りしています。
直接契約を申し出てくるアフィリエイターさんは、「やり手」で交渉に慣れているからか、その他同業とのアフィリエイト報酬の比較、ASPへの出稿管理費へのツッコミ、特別にコンテンツを作る提案や、他業種とのコラボなど、とても魅力的な提案を幾度か受けました。
(むしろアフィリエイターさん自らがASPサービスを開業するほうが早いし儲かるのでは?と思えるくらいです。)
ですが、ぐっと耐えることでASPの信頼を勝ち得たというのも事実です。
2.「お客さんの質」もしっかり見ています
出稿側としても沢山の成約、売上を上げてくれるアフィリエイターさんにモチベーションを上げて臨んでもらうためにも、特別単価を設定することは理にかなっていると言えます。
(もちろん社内でしっかり見積もりを出して検討し、このアフィリエイトサイトならいくらまで単価を上げることが出来るのかというのを判断した上で提案を受けています。)
但し、沢山の成約、売上を上げてくれるアフィリエイトサイトなら無条件に特別単価を設定しているというわけでもありません。
いくら成約数が多くても、成約したお客さんがすぐにキャンセルをする傾向が強いアフィリエイトサイトの場合は、やはり特別単価を設定することはありません。
成約したお客さんの質も含めて、特別単価を出すかどうかを総合的に判断しています。
3.成果件数だけじゃない!出稿側から特単を出す際のポイント
1とは逆に出稿側からアフィリエイターさんに働きかける、特別単価を提案する場合もあります。
上記でも簡単に説明しましたが、沢山の成約、売上を上げてくれるアフィリエイトサイトに提案することもあれば、成約、売上が少なくても質のいいサイト、ブランディングの一環として特別単価を提案をすることがあるのです。
それは「成約数や売り上げ以外の価値を提供しているアフィリエイトサイト」です。
例えば保険サービスのアフィリエイトサイトであれば、ただ保険サービスを紹介するのではなく、それに付随した役に立つ情報をユーザーに提供しているサイト、保険そのものを啓蒙、推進するサイトなどを優遇対象として選び出します。
公平な判断に伴いコンテンツが作られ、ユーザーに有益な情報、サービス、商品を紹介しているサイトに広告を出稿することは、サービスや商品のイメージアップに繋がる、ブランディングとしても成り立つので、出稿側から応援も兼ねた特別単価を提案するのです。
多くの成約、売上を上げていないから特別単価は無理だと諦めないでください。
ユーザー第一に考え、真摯に誠実にサイト運営をしていれば出稿側から提案されるチャンスは多分にありますし、更に言えばそういったサイトは必ず成約数、売上とも日を追うごとに上がってくるものです。
「これ、いいね!」というものを提供しよう。
アフィリエイトサイトでも「ユーザーに価値を提供する」サイトが実績を上げる
「ユーザーに価値を提供する。」
これはアフィリエイトサイトに限ったことではありません。全てのサイトに言えることです。
成約数、売上を上げるために色々な手段を取ったとしても、そこにユーザーに価値を提供するものが全くなければ、成約も売り上げも上がってくることはありません。
SEOと全く一緒です。
検索順位を上げることだけを考えて色々な手段を取っても、ユーザーに価値を提供していなければ全く意味がないどころか、検索順位すらも上がることはありません。
サイト運営の大事な基本とも言える「ユーザーに価値を提供する」サイトが実績を上げることをしっかりと踏まえて、サイトを運営してください。
真摯に誠実にサイト運営をしていれば、価値を提供した正当な見返りとして広告収入、アフィリエイト収入を得ることに必ず繋がりますし、特別単価の話が出るチャンスが多分に広がりますよ。