FTP(エフティーピー)とは、「File Transfer Protcol」の略で、クライアントとサーバーの間でファイル転送を行うための通信プロトコル(通信手順)の一つ、またはそれを実装したコマンドを指す。インターネット黎明期から存在する古い規格であり、主にLAN接続でPC間のファイル転送に使用されていた。現在では、大量のデータを扱うことができるため、ウェブページのデータをサーバー上にアップロードするときによく用いられる。
「FTPサーバー」と呼ばれるネットワーク上のファイル保管場所にアクセスし、専用のソフトやブラウザのFTP機能を使いファイルの送受信を行う。その際、ログイン用のIDやパスワードが必要となるが、不特定多数のユーザーに、ファイルを配布するなどの目的のため、アカウントがなくても自由に接続できる「Anonymous FTP」と呼ばれるサーバーもある。
FTPはユーザ名やパスワードなどの個人情報も含め、すべての通信内容は暗号化されずに転送が行われるため、セキュリティの脆弱性が常に指摘されている。そのため、近年ではファイル転送にFTPが使用される状況は少なくなりつつあり、伝送路を暗号化するSSL/TLSと組み合わせて「FTPS」として利用したり、ssh上でFTPに似たファイル転送が行える「SFTP」を用いることが増えてきた。