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WEBコンサルタント『サーチサポーター』の代表、敷田憲司です。
突然ですが質問です。
あなたはテレビを観ますか?
私は自分の好きなサッカーの試合やスポーツニュースを観る以外はほとんど観ません。
フリーランスになってからは更にその傾向が強くなり、テレビの電源すら入れない日もあります。
そんな私ですが、毎回録画して暇な時間を作っては観ているバラエティ番組があります。
それはテレビ朝日で放送されている「しくじり先生」です。
私はこの番組が深夜に放送されていた頃から大好きで、今でも欠かさず録画して観ています。
この番組の面白いところは、著名人自らが講師となり、自らの失敗経験を熱く語ることです。
実体験が元となっているので説得力もあり、同じような経験をした人にとっては身に詰まるものがあります。
成功談より失敗談を語るのは逆説的で面白いです。
世の中には沢山の「成功体験本」がありますが、逆に「失敗体験本」は(ないことはないのですが)あまり目にすることがありません。
なぜなら「失敗」というマイナス、ネガティブな要素を含んでいることを人は無意識に避ける傾向にありますし、成功したい人が進んで失敗体験なんて聞きたくない、成功するために成功体験を聞きたいと考えるからです。
ですが、私は失敗体験を受け入れない、そのまま反省さえもせずにいることこそが本当の失敗だと考えています。
「失敗を次に生かす。」
この言葉通りにするためには、失敗からこそ学ばなければいないと私は考えています。
(これ、何だか分かります? 「伸びシロですねえ~。」)
※ じゅんいちダビッドソン オフィシャルブログ「じゅんいちダビッドソンのワールドクラス」
Twitter : @JUNICH_DAVIDSON
・・・かなり前置きが長くなりました。
今回はフリーランスとして丁度一年が経ち、私個人の振り返りという意味も込めて独立してからのしくじりをお話しいたします。
(私のしくじりが皆様にとって役に立つ、失敗を未然に防ぐものとなれば幸いです。)
やってしもうた・・・
1.本当に仕事の受注が見込めるの?
独立を考えているほとんどの人は、会社に属しているときに副業だったり、週末起業を始めることでしょう。
そこで成果を出し、ある程度の収入が見込めるようになってから「いざ独立!」という選択を取る人がほとんどだと思われます。
フリーランスになる前にある程度の「仕事の土台」を作っておく。
誰もがそう思いますし、そうするでしょう。
・・・ですが、私は全く何もない、土台すらも作っていないところからスタートしました。
開業届けを出した後にサイトやブログを始めましたし、知人に「フリーになったので仕事をください」と営業活動を開始しました。
当然のごとく、最初の一か月目の収入は0円です。
自分でも大馬鹿だと思いますし、無謀なことをやったなと今でも思います。
ただ、「独立したいな」という気持ちはかなり前から思っていたことでしたし、「ネット、WEBを活用して世の中の色々なことを便利にしたい」自分なりの志はずっと抱いていました。
また、独立する勇気がないことを「準備不足」だと誤魔化していた、ずっと言い訳にして行動に移さなかった自分が嫌いでもありました。
そんな自分と決別するべく、冷静に考えても本当に準備不足でしたが、思い切って独立に踏み切りました。
(気持ちを先走らせました。「あえてね。」)
今となってはそれがよかった、むしろもっと早く決断すればよかったと言えますが、正直、私以外の人には絶対におススメはしません。
収入面ではしばらくマイナスが続きますし、仕事がないことで精神的にもかなり疲弊します。
必ず仕事も収入も「ある程度の見通し」がついてから独立することを私はおススメします。
2.想定外の出費って、思った以上に沢山あるよ
お金はあるに越したことはありません。
独立を考えている人は必ず貯金をしておきましょう。
特に住民税などの税金、国民年金や保険料、更には仕事をして収入を得た際の所得税の支払を行う確定申告・・・etc
会社に属していたときは会社が(一部分は)支払ってくれていた、また、それに要する手続きも全て会社が行ってくれていたこともあり、なかなか気が付きにくいことですが、独立するとこれらの支払いはもちろん、手続きも自分で行わなければなりません。
「とりあえず生きるための食事代と家賃、ある程度の仕事の必要経費をまかなえる貯金があれば大丈夫っしょ!」と思うなかれ。
自分で払うことになって、多くの人が初めてその額の大きさに気がつきます。
また、こういうときは得てして「想定外の出費」が起こります。
仕事で使っているパソコン、プリンターが突然壊れたりしますし、慣れない環境に身を置くからか、健康には自信があった自分の体も突然壊れることもあります。
新しいものを買うのはもちろん、メンテナンスにもお金がかかります。
(維持費って結構見落としがちです。)
こういうことが全くないとは言い切れませんので、想定外の出費すらも見越して貯金を準備しておきまししょう。
ちなみに私が一番の想定外だった出費は、フリーランスになって間もないときに父親が死んだことだったりします。
(葬式はもちろん、諸々の事後処理で、お金も時間も想定外の大出費でした。)
だが、断るっ!
3.断るためにも自分というリソースを管理しよう
幸運にも仕事が舞い込み始めると金額の大きさに関わらず、どうしても全ての依頼を受けたくなってしまいますし、実際に受けてしまいがちです。
ですが自分一人で出来ること、作業量には限りがあります。
自分が出来る以上の仕事を受けてしまうと、その仕事をこなせないどころか、全ての仕事が疎かになってしまい、ひいては仕事の質の低下を招きます。
自分で出来ない仕事は断るか他の人を紹介する、仕事として受けてもアウトソーシングする。
そういった工夫も必要です。
(最後は「個の力」の勝負とはいえどね。)
独立してすぐの私は「頼ってくる人を無碍に断ることは出来ない」と思い込んでいたため、「来るもの拒まず」で仕事を受けていました。
自分というリソースの管理が出来ていないことで、無理して仕事をこなしてしていたため、前述のように体を壊してしまい、結局はその仕事も長期の契約にはならなかったという悲しいオチを経験しました。
断るにも勇気がいるのでなかなか断れないという人もいると思いますが、自分というリソースを管理する上でも、また、自分というブランドの質を落とさないためにも「断ることは必要です」。
また、「知り合いだから安くして」とか、「フリーランスだから安く出来るでしょ?」と言ってくる依頼者もいますが、そういう方からの仕事は極力断りましょう。
人の足元を見て値踏みする人は、今後もことあるごとに値踏みします。
トラブルの元になる可能性も高いですし、そんなことで精神的にも疲れるのはもったいないことです。
せっかくフリーランスになった(なる)のですから、自分の時間を有効に使うこともしっかり考えましょう。
人との関わりあいも大切です。
4.想像以上に人と関わります
個人事業主、フリーランスというとどうしても「自由」というイメージが強く、「あまり人と関わらずに仕事ができる」と考えている人も結構いるのではないでしょうか。
全てがネット上で解決する有能なアフィリエイターや個人投資家などであれば、人と関わることも少ないでしょうが、残念ながらそんな人は稀有ですし、むしろ会社員時代よりも人と関わることが重要となります。
(私の場合もフリーランスになってからのほうが多くの人と会っています。)
フリーランスのイメージは、自宅やカフェでノマドしながら誰にも邪魔されずに自由に仕事をしている姿を想像するでしょうが、それを実現するためにも能動的に人と繋がっていかないといけません。
「あの人と仕事がしたい、あの人に仕事を任せよう」と思ってもらえるような親しい人間関係を作るには、常日頃から親しくしておくことが重要です。
フリーランスになる前にある程度の人間関係を築いておくことも必要なのです。
ただ、「親しくなればいい」というわけではないことも注意しておきます。
むしろ、私は「親しくなりすぎて逆に仕事にならない」ことが失敗です。
仕事とは関係ない遊びのお誘いのほうが圧倒的に多く、仕事仲間よりも遊び仲間が増える一方です。
(仕事として見ると明らかに「失敗」です。一緒に仕事するより、一緒に遊んでいることのほうが多いのですから。)
5.ハッキリ言って、社会的信用は低いです
「フリーランス」というと、何だかカッコいい。
「今風の働き方だ!」なんて思うかもしれませんが、それはあくまでよいイメージだけの話です。
そのイメージとは裏腹に、フリーランスの社会的信用は低いです。
これを一番痛感するのはクレジットカードを作るときや、住居の賃貸契約、老舗の企業の仕事を請け負うときです。
私は会社に属しているときにいくつかクレジットカードを作っていましたし、今は審査がほとんどないクレジットカードもありますが、新しくクレジットカードを作るとなると、審査に通らないことが多分にあります。
理由は収入が不安定なため、信頼出来ないと判断されるからです。
また、住居の賃貸や、老舗の企業の仕事を請け負うときにもフリーランスであることは不利に働くことがあります。
収入が不安定ということは「夜逃げ」することもありうると考えられ、仕事を請け負ってもうまくいかなかったときに「逃げ出す」というリスクがあると判断されるのです。
いくら自分が「そんなことは絶対にしません!」と言っても何も説得力がありませんし、その言葉は担保にもなりません。
(「フリーランスには仕事が出せないから法人化して」と言われ、実際に法人化した知り合いもいます。)
もし新しい住居を賃貸、購入する予定や結婚などを考えている場合、フリーランスになることで簡単には叶わなくなることがあるということを頭に入れておいてください。
(結婚となると家同士の繋がりとなりますし、フリーランスとの結婚は認めないという親御さん だっています。世の中の全てが綺麗ごとでは済まないのです。)
実をいうと、私も今だに母親にフリーランスを認めてもらっていません。
(「語呂が似ているフリーターと同じ」というイメージしか持たれていません。仕送りもしているのにそりゃないぜ母さん・・・)
「根回し」や「説得」も、自分がこの世界を快適に生きていく上では必要なことだったりします。
それでもフリーランスを続けます!
しくじりフリーランスまとめ
いかがでしたか?
フリーランスをやっていると、内外問わず多くのストレスに悩まされるものです。
実は会社に属しているほうが楽だった、信用もあったということをフリーランスになってから嫌というほど思い知らされますし、フリーランスは全て自分が責任をとらなくてはならない、想像以上に大変だというこにも気づかされます。
今回は大きく分けて5つのしくじりを挙げましたが、私はこまかいしくじりを挙げたらキリがないくらいに失敗しています。
そんなしくじりが多くなりがちなフリーランスではありますが、挑戦する価値は十分にあり、成功する可能性だって十分にあると私は思います。
そして何よりもたくさんしくじったにも関わらず、私はまだまだフリーランスを続けられています。
最後に私がお伝えしたいこと、フリーランスとしての心構えは以下の通りです。
- 「フリーランスになること」を目的にしない。大切なのは「フリーランスになって何をやるのか」。
- 仕事相手とはいつも「対等の立場」、同士である。
- 失敗を失敗で終わらせない。自分の選択を正解、成功にしていこう。
もし、私と一緒に仕事をする機会があれば、是非一緒に仕事をしましょう!
そして一緒に成功を目指していきましょう!