WEBコンサルタント『サーチサポーター』の代表、敷田憲司です。
先日、「Web担当者Forum」にて以下の記事を読みました。
SEOに詳しくない人の勘違いは、SEO関係者が正して啓蒙していくべきなんだよね | Web担当者Forum
SEOに熱心ではない人が信じ込んでいることをSEO関係者が説き正し、かつ、彼らを啓蒙していかなければいけないということが書かれていました。
今は確信犯を含め、巷にはとても多くの真偽が不確かなSEO情報が溢れています。
なぜSEOに関してこんなにも真偽が不確かな情報、都市伝説が存在するのでしょうか?
今回はそんなSEO情報をどうやって見極めればよいのかについて書いてみます。
多くのSEO情報が生まれる背景
なぜSEOにはこんなに多くの情報があるのか。
それは「Googleが公式に発表した情報」を「個人で勝手に解釈して結論を出すから」です。
また、確たる証拠はなくてもこれまでの過程、結果から類推されることを「経験則として導き出すから」です。
SEO情報の絶対的な正解は「Googleが公式に発表した情報」です。
ですが、GoogleがSEOに関する全ての疑問、質問に答えてくれるわけではありませんし、更に状況や詳細まで詰めて考えるとケースバイケース、「一概に答えを出すことが出来ない」ものでもあります。
こういった背景が、SEO情報の「解釈の違いや経験則を更に増やす」要因となっているのです。
※ ちなみに、よく信じられているSEO都市伝説の例をいくつか挙げてみます。
・Adsenseを設置したり、アドワーズに出稿すると順位が上がる
Ans. 検索チームと広告チームは違う組織なのでありえません。むしろ広告チームの指示に従いすぎると、検索順位を落とすことがあります(コンテンツ内に過剰に広告を貼るなど)。
・eduや.ac.jpなど教育機関系のドメインは他のドメインよりも有利
Ans. ドメインによって優遇の差はありません。一般的に教育機関は様々な理由により、全体的に品質の良いリンクを受けやすい性質があるため、教育系サイトは検索順位が優遇されているように見えているだけです(例えば日本の大学のサイトを見ると、一部の偽ブランド販売業者や金融業者によるスパムリンクが多数発見されます(Google無効済))。
・スマートフォン版サイトではレスポンシブウェブデザインを選ぶとGoogleに有利と聞いたが本当か?
Ans. 間違いです。Googleは構築技術としてレスポンシブウェブデザインを推奨していますが、それ以外の手段では不利になるという説明は一切していません。Google自身も全ての場面でレスポンシブウェブデザインがベストとも述べていません。
また、どのデザインが良いかはGoogleの意思によって決定するものではなく、あなたのサイトのユーザーが何を望むかに基づいて決定すべきです。
純粋にSEOのテクニカルな観点で言えば、レスポンシブウェブデザインが(クローリングさせるのに特別な配慮がいらないという意味で)楽かもしれませんが、ビジネス(マーケティング)的に必ずしも適切ではありません。
鵜呑みにせずに理解、納得できるかで判断する
では、SEOについての情報は何を信じればよいでしょうか?
餅は餅屋ではありませんが、「SEOの専門家」と呼ばれる人達や企業が発信する情報は「確度」もかなり高く、限りなく「正解に近い」考察、回答であるといえます。
ただし、今回の元記事の「Web担当者Forum」の回答や、更には私を含めた他の「SEOの専門家」と呼ばれる人達の発言であっても100%正解とは言えません。
「Googleの公式な回答ではない」ので、100%正解だとは言えないのです。
じゃあ何が正解で、何を信じればいいのか?
正解は「自分が理解し、納得出来るか」です。
SEOに限らず、情報を信じるとなると「信頼出来る人」の発言を重要視するでしょうが、信頼出来る人の発言でもそのまま鵜呑みにせずに「自分が理解し、納得出来るか」で必ず判断してください。
結論まで論理立てて説明されているか、根拠となる情報は明示されているか、独自の考察は理解、納得できるものか、話に矛盾点はないか…etc など、しっかり判断をすることがSEO情報を見極めるに当たって限りなく正解に近づく方法です。
(これはデマに踊らされない方法にも通じます。)
疑問に感じたら聞いてみよう。
なぜそれを行うのか理由を聞く
SEOに限らず、人は自分の知らないこと、分からないことに関しては権威のある人、企業や団体の発言をそのままに信じてしまう傾向があります。
これは私たちSEOサービスを提供する側の説明不足なところも多分にありますが、SEOサービスを受けていて疑問に思うことがあったらすぐに鵜呑みにせずに「なぜそれを行うのですか?」と理由を聞いてみてください。
「よく分からないけど言われた通りにしておこう」
「そういう面倒なことを考えたくないからコンサルタントに頼もう」
このような受け身の姿勢でサービスを受けると、結果が出ないときは例え正当なSEO施策だったとしても「業者に騙された」という思いが強くなるだけです。
(また、質問をしてみてもちゃんとした答えが返ってこないSEO業者なら、あまり良い業者とはいえないという判断にもなります。)
自分にとって有用な方法として活用する
SEOに限らず「自分が理解できるか、納得出来るか」は全てにおいて大事なことです。
理解し、納得していれば成功したときは更に成功する、成果が出るように方法をアップデート出来るでしょう。
逆に失敗した場合は理解し、納得しているので原因、理由が探りやすく、そこからまた違う方法を考えて実行することも出来るでしょう。
そもそもサイト運用は他のサイトと環境、条件がまったく同じでは無いので比較も難しく、SEO施策も他のサイトでは正解でも、自分のサイトでは不正解ということもあり得ます。
だからこそSEO情報は自分が理解、納得出来るかでしっかり判断し、自分にとって有用な方法として活用することが正解なのです。