目次
WEBコンサルタント『サーチサポーター』の代表、敷田憲司です。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?
私は仕事と趣味のフットサルをして過ごしました。
仕事よりもフットサルをやっていた時間のほうが長かったため、ゴールデンウィークが明けた今でも体力が完全に回復しておらず、休みボケもしっかり抜けていない状態です。
それでも朝から仕事に取り掛かったことで、何とか「仕事モード」を取り戻しつつあります。
閑話休題。
私は昨年の2014年5月1日に開業届を出し、フリーランスとして事業を開始しました。
そして今月、無事に二年目を迎えることが出来ました。
(これもひとえに応援してくださる皆様のおかけです。ありがとうございます。)
そこで今回は開業からの一年間はもちろん、今までの社会人生活、仕事を通して得た経験を元に、ワークライフバランスを充実させるためのフリーランスとしての心構えや、準備、実践方法を「仕事術」としてまとめてみたいと思います。
ここで紹介する理論、方法はあくまで私の独自のものです。
そのまま真似るのではなく、自分なりにアレンジして「自分の正解」にするための参考にしていてだけると幸いです。
目次
- クライアントと目的を共有し、記録に残す
- 手段を目的にしない
- WEBに拘らない
- 安い仕事を断る勇気を持つ
- クライアントの情報収集をしっかり行う
- クライアントのライバル(競合)をチェックする
- 指示だけではなく、実際に手を動かす
- 「守破離」の精神を忘れない
【心構え編】
1.クライアントと目的を共有し、記録に残す
私の職業であるWEBコンサルタントという仕事は、フリーランスであろうとなかろうと「クライアントがWEBで何を実現したいかという目的を把握すること」が大事となります。
目的がハッキリしない(クライアント自身も分からない)場合は、会議やヒアリングを重ね、お互いに目的を決めることも大事な仕事の一つです。
むしろ目的よりも「WEBで何かやりたい」という希望が先に立つクライアントのほうが多いので、最初にしっかり話し合うことは必須です。
目的が決まったら、それをクライアントと共有、意識のすり合せを行いましょう。
これを最初にしっかりやっておかないと、方向性を間違えてしまうことに成りかねませんし、「言った言わない」などという不毛な言い争いが起こるタネになってしまいます。
代替案を出す、考えるための議論ならよいですが「何も生まない」議論は極力避けたいところです。
実は、独立前に会社に勤めていたときに電話や立ち話で伝えたことを「言った言わない」と言い争うことを何度か経験しました。
それからは社外のお客様や社内の上司、同僚であろうと口頭で伝える、伝えられた場合は、内容を箇条書きにしたメールを「議事録」として出すことで、しっかり確認を取る、証拠とするようにしました。
メールで残すことは、後からの振り返りとしても使えますので是非やってみてください。
2.手段を目的にしない
WEBコンサルタントに持ちかけられる相談のほとんどは、WEBサイトの作成、集客、運用です。
それを叶えるための方法を模索し、提案することがWEBコンサルタントの仕事なのですが、あくまで「目的を叶えるため」に方法を提案することを忘れてはいけません。
例えばSEOの場合だと、検索エンジンからの流入を増やすためにページの検索順位を上げる施策を考え、実施するのですが、ただ順位を上げればよいというわけでは決してありません。
検索エンジンから流入するユーザーに商品を買ってもらう、サービスに申し込んでもらう...etc、などがクライアントが最終的に目指す目的です。
検索順位を上げるのは手段であり、目的ではありません。
目的を間違わなければ業務と関係のない検索キーワードで順位を上げても意味がないことに気がつきますし、上記1の「目的の共有」がしっかり出来ていれば、見当違いのSEO施策を行うこともなくなります。
以前の会社でSEO施策を行っていたときに、検索キーワードの順位しか追っていない時期がありました。
検索キーワードの順位は上がっているのに、目的であるサービスの申し込み数がいっこうに伸びてこないことに憤っていましたが、これこそ「手段が目的に変わってしまっていた」典型と言えるでしょう。
ユーザーのニーズに合っていない検索キーワードの順位をいくら上げたところで、目的は達成されないのです。
(目的がしっかりしていることがいかに大事なのかは次の項目でも説明します。)
3.WEBに拘らない
WEBコンサルタントなのにWEBに拘らない?そんなのWEBコンサルタントとしては失格だ!
そう思われるかもしれません。
ですが、クライアントの目的を達成するためにはWEBよりもよい方法があるのなら、そのよい方法を提示するべきだと私は考えます。
(極力WEBで実現できることを考えるとはいえ、拘りすぎると失敗することもあるのです。)
例えば、とある特定地域の人に絞って集客したい、情報を流したいのであればWEBサイトを作り込むよりも、チラシや地方自治体の季刊誌に掲載するほうが絶対的に効果があるケースもあります。
目的に対してWEBではメリットが薄い場合は、その理由を伝えることも立派なWEBコンサルタントの役割だと私は考えます。
それが結果的に自分の仕事にならなかったとしても、「信頼」は勝ち取ることが出来ます。
信頼があれば、そこから別の案件に派生することもよくあることです。
これを実践したことで「私じゃないのだけれど、WEBで困ってる人がいるから相談に乗ってくれない?」と、話を持ちかけられる、紹介されることを独立してから何度も経験しました。
WEBコンサルタントに関わらず、「信頼は商売の鉄則」です。
4.安い仕事を断る勇気を持つ
少し下世話な話になりますが、自分の仕事に対しての評価である報酬もしっかり考慮して仕事を受けるか受けないかの判断を行いましょう。
フリーランス(個人事業主)は大手には出来ない細かい作業や融通が利くことがメリットである反面、ただの便利屋扱いにする「個人事業主だから安い値段で仕事を請け負ってもらえる」と勘違いするクライアントもいます。
逆に言えば、クライアントはその程度にしかあなたを評価していないということでもあるので、あまりに安い報酬の場合は仕事を断ることも必要です。
それはあなたの仕事の質を担保することにも繋がります。
私はコンサルタント以外にもライター(寄稿)もやっていますが、記事単価があまりに安い案件はお断りしています。
「他所では500円で記事を書いてもらえる」と比較されることがありますが、「では遠慮なくそちらを利用してください」と回答しています。
(私は500円のワンコイン記事よりもしっかりした記事を書く、質には自信がありますので。)
個人的な意見を言えば、クラウドソーシングでの最安値をちらつかせて買い叩くようなクライアントの仕事を請け負うのはやめたほうがよいでしょう。
時間ばかり取られ、正直儲からないという案件を請け負うくらいなら、自分の趣味の時間にあてるほうが有意義といえます。
クライアントとしっかり対話し、認識をすり合せましょう。
【準備、実践編】
5.クライアントの情報収集をしっかり行う
情報収集は良質なWEBコンテンツを生み出すきっかけになることはもちろん、クライアントの業界、業務、トレンドやクライアント独自が持つ強みを知ることになります。
WEBコンサルタントとして提案をするためにも、情報収集は必ず行いましょう。
(情報収集なくして、よい提案を行うことは不可能です。)
とはいえ、業界のことを「何も知らない」からこそ疑問に思うことや、「常識を疑う」ことを出来るのも確かです。
これは全く知らない業界のWEBコンテンツの企画作成を受けたときの私の経験なのですが、分からないなりに下調べをした上で会議の席でクライアントに質問を投げかけたところ、「そんな観点から商品を見られているなんて気が付かなかった」と逆に感心されました。
私の持論でもあるのですが、「世の中の人全てが専門家ではありません」。
知識がない人にも分かりやすく説明することはとても大事ですし、相手側に立って物事を考えることはコミュニケーションの基礎でもあります。
上記1の「目的の共有」でも述べましたが、情報収集を行った上でクライアントと対話することは、ベストな選択肢を選び、提案が出来る第一歩であると言えます。
6.クライアントのライバル(競合)をチェックする
クライアントと同じ業界、業務の(できれば大手の)WEBサイトを必ずチェックしましょう。
「多くの人に選ばれている」というのはネームバリューがあることはもちろん、ユーザービリティが優れているからであったり、最新情報が掲載されているなどの創意工夫がなされている、なんらかの理由があるものです。
よいところは見習い(パクるのではありませんよ)、自分なりにアレンジすることで自分の力にしましょう。
(この考え方は後述する「守破離」に大きく関係します。)
また、クライアントのWEBサイトとどう違うのかという理由を、比較表をつけて説明すると説得力も増しますし、問題点も分かりやすくなりますよ。
ちなみに以前の記事でご紹介した「SimilarWeb」や「SEOチェキ」を使えば、競合サイトのアクセス数や集客経路、検索キーワードや被リンクも調べることが出来ます。是非利用してみてください。
7.指示だけではなく、実際に手を動かす
「コンサルタント」という単語の印象から、「指示だけしている」という印象が強くあるのではないでしょうか。
(あくまで私の場合ですが)実際に作業も行うことによって、提案がより具体的に行えることになります。
寄稿の底力をつけるべく、定期的にブログを書くことはもちろん、WordPressで実際にサイトの作り込みを行うことで、クライアントの現状に即した提案が行えることになると考えているからです。
理想と現実が違うように、「こうすればいいのに」ということは誰でも思いつくものですが、実際に実現するとなるとどうすればいいか分からない、実現が難しいということはよくあることです。
特にコンサルタントという職業は「指示だけしている」という印象が強いので、問題点を指摘しても「そんなことは分かっているんだよ。現場のことを知らないくせに何言ってんのさ。」と相手も意固地にさせてしまうことすらあります。
提案してもなかなか動いてくれないため、ついつい言い争ってしまうことを私は独立する前に何度も経験しました。
そういった問題点や作業時間などを把握するためにも、ある程度は実際に自分の手を動かすことは必要だと私は考えています。
クライアントの状況に適した解決案、改善案を提案することこそがコンサルタントです。
もちろん指示だけに集中することでコンサルタントとしてのパフォーマンスを最大限に引き出すことも立派な仕事術です。
あなたに合う方法を考え、実践してみてください。
自分なりに実践してみましょう。
【全てにおいて意識していること】
8.「守破離」の精神を忘れない
私はWEBコンサルタントの仕事(極端に言えばフリーランスという立場など)に限らず、何事も「守破離」だと考えています。
まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。
最初に「自分なりにアレンジしてください」と言ったのもそれが理由です。
目的を達成するために必要な方法や理論は沢山ありますが、ただそれを真似るだけではうまくいかないことのほうが多いものです。
また、ただ真似るだけで解決するのならWEBに限らずコンサルタントなんて必要ありません。
コンサルタントとして、更に私のようにフリーランスとして仕事をしていくのであれば、例え最初は真似であってもそれを独自の方法へと昇華し、自分の力としていかなければ生き残れないと言っても過言ではありません。
求められるものをしっかり把握しよう!
コンサルタントが求められるもの
クライアントの目的を把握、共有し、状況に応じた解決案、改善案を出す。
これこそがクライアントがコンサルタントに求めるものです。
今回挙げた8つの仕事術は、私がこれまでに経験したことから導き出した答えであり、肝心の目的を達成するための私の理論、方法です。
少しでも参考になることがあれば、是非自分なりにアレンジして「自分の正解」としてください。
私の理論、方法があなたのワークライフバランスを充実させる手助けとなりますように。