目次
- 1 1) アンカリング効果
- 2 2) 初頭効果
- 3 3) 親近効果
- 4 4) 返報性の原理
- 5 5) ハロー効果
- 6 6) 認知的不協和
- 7 7) バンドワゴン効果
- 8 8) ザイオンス効果
- 9 9) テンション・リダクション
- 10 10) カクテルパーティ効果
- 11 11) 確証バイアス
- 12 12) 同調現象
- 13 13) バーナム効果
- 14 14) 社会的証明の原理
- 15 15) カリギュラ効果
- 16 16) ヴェブレン効果
- 17 17) ツァイガルニク効果
- 18 18) スノッブ効果
- 19 19) 保有効果
- 20 20) 損失回避の法則
- 21 21) 松竹梅の法則
- 22 22) マッチングリスク意識
- 23 23) 決定回避の法則
- 24 24) 現状維持の法則
- 25 25) フレーミング効果
- 26 26) ベビーフェイス効果
- 27 27) ストループ効果
- 28 28) シャルパンティエ効果
- 29 29) 権威への服従原理
- 30 30) ウィンザー効果
- 31 まとめ
人の行動や判断を自由に操れるようになる!?
そんな方法があったら知りたくないですか?
どうも、ブログマーケッターの『JUNICHI’s Blog』の松原潤一です。
WEBマーケティング担当者のあなたは、人間の行動心理って理解していますか?
マーケティングにおいて、人の行動心理を理解して、戦略を練る事が大切です。なぜなら、多くの人はある一定の法則にもとづいて行動・判断するからです。
そこで、今回はWEBマーケティングだけじゃなくて、日ごろの対人間のコミュニケーションやセールス活動にも活かすことができる人間の行動心理学をご紹介します。
1) アンカリング効果
人は、一番初めに目にした数字に大きく影響を受ける、という効果。
例えば、以下のA、Bの質問をランダムに色んな人に問いかけた実験があるそうです。
【質問A】
国連でアフリカ諸国が占める割合は65%よりも高いか、それとも低いか?
それは具体的に何パーセントだと思いますか?【質問B】
国連でアフリカ諸国が占める割合は10%よりも高いか、それとも低いか?
それは具体的に何パーセントだと思いますか?
この実験の結果によると、以下のような結果になったそうです。
- 質問Aを受けたグループの人の回答の平均 ⇒ 45%
- 質問Bを受けたグループの人の回答の平均 ⇒ 25%
明らかに、初めに提示された数字に影響を受けていますよね。これがアンカリング効果です。
Webマーケティングへの応用
- 実際に購入して欲しい金額よりお大きい金額を提示する。
⇒購入者に「良い買い物ができたぞ」と思わせる事ができる。
※ただし、販売実績のない根拠のない価格を表示することは景品表示法で禁止されてるので注意しましょう!
⇒詳しくは、消費者庁の二重価格表示のページを参照してください。
2) 初頭効果
人は、一番初めに受けた印象がなかなか変わらずに、一番記憶に残りやすいという効果のこと。
Webマーケティングへの応用
- WEBサイトやセールスページのファーストビューのキャッチコピーや見出しを、ユーザーの興味をバッチリひくものにする。
⇒「探している情報がありそうだな」、「役に立ちそうなサイトだな」と思わせる事ができれば、一気に本文を読み進めてくれます。
3) 親近効果
初頭効果とは反対に、人は一番最後に見聞きした事が記憶に残りやすい、という効果。
初頭効果と親近効果を合わせると、ピアノの発表会みたいなコンクールでは、一番はじめと一番最後の演奏者が有利になりますよね。
Webマーケティングへの応用
- セールスページの最後に「追伸」として、商品のメリットなどをきっちりとまとめておく。
4) 返報性の原理
人から何か良い事をしてもらった時に、何かお返しをしなければ!と思う人間の心理の事です。
例としては、試食販売が分かりやすいですね。試食販売のおばちゃんにウィンナーを試食させてもらったら、なんか買わないと悪いから1個買っておこうってな感じです。
Webマーケティングへの応用
- WEBサイトを訪問したユーザーに、無料E-bookや無料相談をプレゼントして、その後に顧客化につなげる。
5) ハロー効果
人は、一番はじめに知った特徴や受けた印象に引っ張られてしまって、他の事もゆがんだ評価をしてしまうんです。これを「ハロー効果」と呼びます。
分かりやすい例をあげると、A君が東京大学出身だと知ると、多くの人は「A君って大きな企業に勤めているか、官僚だったりするんだろうなぁ。」と勝手に思い込んだりしますよね。
Webマーケティングへの応用
- WEBサイトの一番初めに見られる部分に、知名度の高い提携先企業の一覧を表示する。
⇒ユーザーに安心できるサイトだと認識してもらえます。
6) 認知的不協和
人間は矛盾した2つの感情を抱くと、不快感を味わうということを「認知的不協和」と呼びます。
例えば、「食べたい!」と「ダイエットしなきゃ…。」という悩みを抱えた状態が、認知的不協和な状態です。
そこで、「食べてもダイエットできるよ!」なんていう解決策を提案してあげると、人は強い興味をもちます。なんか聞いたことありませんか?
Webマーケティングへの応用
- キャッチコピーを作る時には、「聞き流すだけで英会話が身につく」みたいに、苦痛をともなわずに簡単に悩みを解決する方法がある、と訴えかける。
⇒その後に、しっかりと実証するデータなどをもってくることで、より説得力のあるページになります。
7) バンドワゴン効果
人は流行に弱い生き物です。「これが流行っているんだよ!」と聞くと、なんだか良い商品だと思ったりしませんか?人は、決断をする時に、周りの評判や流行を判断材料にする傾向があります。これを「バンドワゴン効果」と呼びます。
Webマーケティングへの応用
- キャッチコピーに「大流行!」「大人気!」という文言を使う。
- 商品の販売数実績がある場合は、積極的にその数字を前に出す。(できたら千円、万円と略さずに「0」を並べた方が印象的)
8) ザイオンス効果
人は、接触回数が多ければ多いほど、親近感がわきやすくなります。
学校のクラス変更の時もそうですよね。初めて一緒のクラスになった友達は、最初はよそよそしく接するんだけど、毎日毎日顔を会わせるうちに、どんどん仲良くなる、そんな感じです。
Webマーケティングへの応用
- メールマガジンで、ステップメールなどを使って接触回数を増やしていく。
⇒親近感がわき、購入率UPにつながる。
9) テンション・リダクション
人は、重要な決断や行動の前には緊張します。ですが、ひとたびその決断や行動が終われば一気に緊張感がなくなります。
この緊張が途切れた状態の事を「テンション・リダクション」って言います。
Webマーケティングへの応用
- 商品購入後のページに「この商品もいかがですか?」と、たたみかけて販売する。
10) カクテルパーティ効果
街中では、車の音、おばさまたちの立ち話、工事の音などなど色んな音であふれていますよね。でもそんな中でも、あなたの名前を呼ばれたり、興味のある話が聞こえてきたら、しっかりと耳に入ってきますよね。
これを「カクテルパーティ効果」と言います。
自分が興味のある情報や都合のいい情報のみを選んで他の情報はシャットアウトする、という脳の情報処理の効率化のために起きる現象です。
Webマーケティングへの応用
- コンテンツ中でユーザーに対して「あなた」と呼びかける
- メルマガで読者の名前を挿入する
- ターゲットを明確にしたキャッチコピー(例:30歳独身のサラリーマンのあなた!)
11) 確証バイアス
自分が初めにもった「先入観」をもとに他の人や対象を判断して先入観に合わない情報は無意識に捨ててしまう現象です。
例えば、ある女性が初めて付き合った男性が浮気性だったとすると、その女性は今後男性の事を信じられなくなって、「男なんてみんな浮気するのよ!」なんて言うようになるでしょう。
Webマーケティングへの応用
- サイトのファーストインプレッション部分には、あなたが相手に植え付けたい印象に関係するキャッチフレーズやパーツを配置する。
⇒(SEO対策会社の場合、「SEOならお任せ!」とキャッチフレーズを置く。美容関係なら、綺麗な女性の写真を置くなど。)
12) 同調現象
周囲の人と同じことをしていると安心し、逆に自分だけ違った事をしていると不安になることを「同調現象」といいます。
例えば、あなたの娘にはまだスマホを持たせるべきでないと考えています。しかし、娘と同級生の高校2年生の7割がスマホを持っている、なんてデータを出されたら心が揺らぎませんか?周りの人と同じようにさせてあげなくっちゃ、なんて。
Webマーケティングへの応用
- キャッチコピーに「40代女性の8割が愛用」なんて文言を入れる。
13) バーナム効果
これは、誰にでも当てはまりそうなことを内容をぼんやり伝えると、「はっ!それ私の事だ!」と思いこんでしまう事を「バーナム効果」と言います。
よく使われているのが占いですよね。「あなたは実は寂しがり屋なんです。たまにはもっと人に甘えてもいいんですよ。」みたいな事を言われると、なんとなく誰でも当てはまりそうですよね。
Webマーケティングへの応用
- キャッチコピー等に、狙ったターゲットに「それ、私の事だ!」と思わせるような表現を使う。
(例:「夏までにやせないといけないと思っているあなた!」)
14) 社会的証明の原理
他人の行動につられて自分も同じことをしてしまう、という性質を「社会的証明の原理」と言います。
有名な実験に、ある一人の人が街中で空を見上げると、それにつられて周りの人が次々と空を見上げた、というものがあります。
また、トイレの張り紙の例もあります。「トイレを汚さないでください」と書くよりも、「いつも綺麗に利用していただきありがとうございます」と書いてある方が、汚さずに使ってくれる人が多いんですよ。
Webマーケティングへの応用
- Facebook Page Plugin (またはLikebox)をサイトに設置して多くの人から「いいね!」をもらっている事をアピール
15) カリギュラ効果
人は、禁止されると、ますます禁止された行為をしたくてソワソワします。これを「カリギュラ効果」と言います。
有名な昔話で、「つるの恩返し」がありますね。「決して中をのぞいてはいけません!」と言われていたのに、結局のぞいてしまうおじいさん。
Webマーケティングへの応用
- 「本気で英会話を身につけたいと思う人以外は、この先は見なくてけっこうです。」みたいなキャッチコピーを使う。
- 会員登録をしなければ見れないコンテンツを作る。
16) ヴェブレン効果
あなたはブランドバッグや高級時計を欲しいと思いませんか?商品の価格が高くて、それを手に入れる事自体に特別な消費意識・満足感を得る事を「ヴェブレン効果」といいます。もっと簡単に言うと、人は高級ブランド品が好きだってことです。
ロレックスの時計が欲しいのは、高級だからっていうだけで満足できるし、さらに持っているとなんか自慢できるっていう感覚がありますよね。
Webマーケティングへの応用
- 本当に価値のある高額な商品は、「手に入れる事がステータスだ」と思わせる訴求をする
17) ツァイガルニク効果
人は、既に完成してしまったもの、達成できてしまったものよりも、未完成のものにより一層強い印象を持つ、という効果のことです。
「この続きは、CMの後で!」っていうのをよく見かけますよね。個人的にはあれは嫌いですが、やっぱり気にはなりますよね。
Webマーケティングへの応用
- 連載物のコンテンツを作って、サイトのリピーターを獲得する
18) スノッブ効果
入手困難であればあるほど欲しくなり、一般にどこでも売れているものへの関心が薄くなるという効果の事です。
例えば、TVで身体にいいからと話題になったトマトが、売り切れ続出になってしまうと、普段は買わないのに欲しくなったりする感じです。
Webマーケティングへの応用
- 数量限定品・期間限定品を用意する
19) 保有効果
人は、一旦自分のものにした商品などは、手放したくないと思う性質があります。これを「保有効果」といいます。入手する前よりも、価値を感じたり、愛着を感じるからなんです。
Webマーケティングへの応用
- 「気に入らなかったら1週間以内に返金します!」などと返金保証を付けて購入者の心理的ハードルを下げる。
⇒ひとたび手に入れると、実はほとんど人は返金を申し出ないというデータがある。
20) 損失回避の法則
人は、何か利益を得る事よりも、損失を避けたいと強く思う生き物です。これを「損失回避の法則」といいます。
あなたなら、以下の質問A,Bそれぞれにどう答えますか?
質問A:1万円を無条件でもらうか、50%の確率で2万円がほしいか
質問B:100万円の借金を確実に半分にするか、50%の確率で0にするか
Aの質問には、「無条件で1万円をもらう」と答える人が多い
Bの質問には、「50%の確率で0にする」と答える人が多い
こんな結果になるんですよ。それだけ人は、強く損失を避けたいと思う生き物なんですね。
Webマーケティングへの応用
- 自社の商品・サービスを利用しないと損をしてしまうイメージをうえつける
21) 松竹梅の法則
レストランなどで、Aが一番安い600円、Bが真ん中で800円、Cが一番高い1000円のメニューを出された時、一番無難なBのメニューを選ぶ人が大半という法則の事です。
Webマーケティングへの応用
- 実は一番売りたい商品・サービスを真ん中の値段帯にして見せる。
22) マッチングリスク意識
買って効果がなかったらどうしよう、と不安に思う事を「マッチングリスク意識」といいます。
この不安を取りのぞくために使われるのが「お客様の声」や「口コミ」、または「返金保証」です。
Webマーケティングへの応用
- 販売ページに、お客様の声を載せたり、返金保証をつけたりする。
23) 決定回避の法則
人は、あまりにも選択肢が多くなると逆になにも行動ができなくなる、という法則です。
僕の妻がそうなんですが、沢山の料理のメニューがあると「決められない。あなた決めて。」って言うんです。
Webマーケティングへの応用
- 商品が多い場合は、ターゲットごとのおススメコーナーを作る。
(例:「最近疲れ気味なあなたにはコレがおススメ!」なんてキャッチフレーズを付ける)
24) 現状維持の法則
人は、選択肢が広がりすぎると、かえっていつも通りのものを選んでしまうという法則。
僕は、ココイチのカレーが好きなんですが、色々カレーのメニューがある中でやっぱり選んでしまうのが「ロースカツカレー」なんです。そういうのありませんか?
Webマーケティングへの応用
- 商品が多い場合は、できるだけユーザーごとのニーズに合うものに誘導していく
25) フレーミング効果
物事の基準や数値の見せ方を変える事で、その物事に対する印象を大きく変えてしまう事を「フレーミング効果」といいます。
例えば、
- イチローは、10回に3本もヒットを打っている
- イチローは、10回中7回アウトになっている。
という事を比べてみると、前者は「イチローってすごい!」ってイメージを持ちますが、後者の表現では、「なんだ、イチローも半分以上アウトになってるのか」とも思われますよね。
Webマーケティングへの応用
- リスクやネガティブな言葉は小さく、ベネフィットやポジティブな言葉は大きく表現する
26) ベビーフェイス効果
幼児のような顔立ちを持つ人は、心も幼児のように純粋だろう、とイメージを抱かせる効果を「ベビーフェイス効果」といいます。
僕もベビーフェイスなので、確かに心も純粋です。はい
Webマーケティングへの応用
- サイトのイメージを柔らかくするために、「丸顔」「大きな瞳」「広いおでこ」の人の顔や似顔絵をTOPページにもってくる
27) ストループ効果
人は、同時に異なる情報を受け取った場合、瞬時に判断ができずにとまどって時間がかかってしまうことです。
例えば、下の文字の色は何色ですか?
緑 黄 青
ちょっと戸惑いませんか?正解は左から「赤・青・緑」です。
Webマーケティングへの応用
- サイトのデザインと中身に整合性を持たせる。
⇒スムーズに読み進めてもらい、離脱率を下げる
28) シャルパンティエ効果
重さの感覚が、視覚的に見える大きさの影響を受けること。
例えば、10kgの鉄アレイと、10kgの布団どっちが軽そうですか?
布団の方が軽そうに思えますよね。
でも、重さは一緒ですよ。どっちも10kgです。こういう錯覚に陥るのが人間なんですよね。
数字をちょっと工夫するだけで印象がガラッと変わる事はありませんか?1000円と値札をつけられるよりも、980円とつけられたほうがだいぶ安く感じますよね。
Webマーケティングへの応用
- 同じ数字でも、大きく見せたいか、小さく見せたいかによって「0」を付けたり消したりする。
「8千個の販売実績あり!」と書くよりも、「8,000個の販売実績あり!」と書かれた方が、多く売れている感覚になる。
29) 権威への服従原理
人間は、権威のある人からの指示や言動には服従し、従ってしまう性質の事。
例えばあなたは、熱があってお腹の調子も悪くて、ただの風邪じゃないかもしれないと思っているとします。
そこに、近所のおばちゃんが、「そんなん風邪やから大人しく風邪薬飲んでおきー。」と言っても、にわかに信じられません。
ですが、内科のお医者さんに、「大丈夫です、ただの風邪です。」と言われたら、素直に風邪薬を買って飲みますよね。
人は、それだけ専門家とか先生とかいう肩書に弱い生き物なんですね。
Webマーケティングへの応用
- 販売ページに、権威のある専門家や先生の写真と推薦文を載せる。
- 「東大教授も認めた教材!」や「歯科医も絶賛した歯ブラシ」みたいにキャッチフレーズを工夫する
30) ウィンザー効果
直接伝えられるよりも、第三者を介した情報やウワサ話の方が影響が大きくなるという心理効果の事。
例えば、A君という後輩に「先輩って本当にカッコいいですねー!」と直接褒められると、「お前冗談ちゃうかー?」ってなりますが、B君から「A君が先輩の事めっちゃカッコいい!って言っていましたよ」と言われた方が、本当っぽく思えますよね。
Webマーケティングへの応用
- お客様の声や口コミをうまく反映させる
まとめ
ここまで30個も人間の行動心理を解説してきましたが、けっこう人間って単純だしいい加減だと思いませんか?
特に意識したいのが、
- 第一印象 (キャッチコピー・ヘッダー・TOPページ)
- 特別感 (「あなた」と呼びかける、数量・期間限定など)
- 他の人からの影響 (お客様の声や口コミ、専門家などの権威)
の3点です。
使えるものはとことん利用して、今後の活動につなげてみてはいかがでしょうか?